ペアローンで中古マンションを購入した方から、よくある質問のひとつが「住宅省エネルギー性能証明書は2通必要なのか」というものです。

夫婦それぞれが住宅ローンを組んでいる場合、

「夫婦それぞれ確定申告するなら証明書も2通必要なのか」

「1通の証明書をコピーして使えるのか」

「証明申請者は夫婦連名にすべきなのか」

「ペアローンだと住宅ローン控除額が大きく変わるのか」

「住宅省エネルギー性能証明書を取得すると夫婦それぞれの控除に影響するのか」

と迷いやすいところです。

結論からいうと、ペアローンの場合は、確定申告を行う人ごとに書類の提出・確認が必要になる可能性があります。

ただし、住宅省エネルギー性能証明書が必ず「2通原本で必要」と決まるわけではありません。住宅の区分、申告方法、共有名義、借入形態、税務署の確認、他に使える書類の有無によって扱いが変わる可能性があります。

国土交通省の住宅ローン減税の案内でも、共有名義で住宅を所有する場合などは、証明書の申請者が連名でも差し支えない一方、確定申告を行う方の人数分が必要となる旨が示されている証明書があります。また、住宅省エネルギー性能証明書についても、証明申請者が誰であっても証明書の有効性に影響しないと説明されています。

そのため、ペアローンの場合は「証明書が2通必要か」だけでなく、「夫婦それぞれの申告で、どの書類をどう使うか」を確認することが重要です。

図:ペアローンで確認したい名義・部数・控除額の流れ

図:ペアローンで確認したい名義・部数・控除額の流れ

ペアローンと住宅ローン控除の基本

ペアローンとは、夫婦などがそれぞれ住宅ローンを借り入れる形です。

たとえば、夫が3,000万円、妻が2,000万円の住宅ローンをそれぞれ契約するようなケースです。

ペアローンでは、夫婦それぞれが住宅ローンの債務者になります。そのため、住宅ローン控除も、原則としてそれぞれの住宅ローン残高や持分、所得税・住民税の状況に応じて計算されます。

つまり、ペアローンでは、夫だけでなく妻も住宅ローン控除を受ける可能性があります。

このとき、住宅の区分が「その他住宅」なのか、「省エネ基準適合住宅」なのか、「ZEH水準省エネ住宅」なのかによって、夫婦それぞれの控除可能額に影響することがあります。

住宅省エネルギー性能証明書は、住宅が一定の省エネ性能を満たしていることを証明する書類です。中古マンションで省エネ基準適合住宅やZEH水準省エネ住宅として確認できる場合、住宅ローン控除の借入限度額や控除期間が変わる可能性があります。

ペアローンの場合は、単独ローンよりも全体の住宅ローン残高が大きくなりやすいため、控除区分の違いが夫婦合計の控除額に影響しやすいケースがあります。

ただし、実際の控除額は、住宅ローン残高だけでなく、所得税・住民税の納税額、持分割合、借入額、入居年、住宅区分などによって変わります。

証明書が2通必要になる可能性

ペアローンの場合、住宅省エネルギー性能証明書が2通必要になる可能性があります。

理由は、ペアローンでは夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けるため、それぞれが確定申告を行うことがあるからです。

確定申告を行う人が2人いる場合、税務署側ではそれぞれの申告内容を確認します。そのため、同じ住宅についての証明書であっても、それぞれの申告で添付・提示・保管が必要になる可能性があります。

ただし、実務上の扱いは申告方法によって変わることがあります。

たとえば、次のようなパターンがあります。

  • 夫婦それぞれが原本を求められる
  • 1通の原本と写しで確認する
  • 片方が原本、もう片方がコピーで提出する
  • e-TaxでPDF添付する
  • 住宅性能評価書の写しなど別書類で確認する
  • 税務署から追加確認が入る

そのため、「ペアローンだから必ず2通」とも、「1通で必ず足りる」とも断定しない方が安全です。

確定申告を行う人数分の書類が必要になる可能性があるため、発行前に次の点を確認しましょう。

  • 夫婦それぞれが住宅ローン控除を申告するか
  • 原本が何通発行できるか
  • コピーやPDFで対応できるか
  • e-Taxで添付するか、紙で提出するか
  • 税務署や税理士に確認済みか
  • 建設住宅性能評価書など代替書類があるか

住宅省エネルギー性能証明書の発行には時間や費用がかかることがあります。ペアローンで申告期限が近い場合は、早めに確認することが大切です。

連名・連帯債務の場合の注意点

ペアローンと似た言葉に、連帯債務や共有名義があります。

これらは似ていますが、住宅ローン控除や証明書の扱いでは確認すべき点が異なります。

ペアローンは、夫婦それぞれが別々の住宅ローン契約を結ぶ形です。連帯債務は、1つの住宅ローンについて夫婦などが一緒に返済義務を負う形です。共有名義は、不動産の所有権を夫婦などで持ち分に応じて共有している状態です。

住宅省エネルギー性能証明書を見るときは、次の点を確認しましょう。

  • 証明申請者が誰になっているか
  • 夫婦連名になっているか
  • 物件の所在地・家屋番号が一致しているか
  • 共有持分と住宅ローン控除の申告内容が合っているか
  • 夫婦それぞれが確定申告するか
  • 証明書が人数分必要か
  • コピーで足りるか原本が必要か

国土交通省の住宅ローン減税の案内では、住宅省エネルギー性能証明書について、証明申請者が誰であっても証明書の有効性に影響しないと説明されています。

そのため、証明申請者が夫だけ、妻だけ、売主名義、分譲事業者名義だったとしても、それだけで直ちに無効になるとは限りません。

ただし、確定申告でどう提出するかは別問題です。

共有名義や連帯債務、ペアローンの場合は、申告者ごとに必要書類や控除額の計算が変わることがあります。自己判断で進めず、税務署または税理士に確認しましょう。

控除額への影響

ペアローンでは、住宅省エネルギー性能証明書による控除額への影響が大きくなる可能性があります。

理由は、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受ける可能性があるためです。

住宅ローン控除では、住宅の区分によって借入限度額や控除期間が変わることがあります。

たとえば、中古マンションで「その他住宅」として扱われていたものが、省エネ基準適合住宅やZEH水準省エネ住宅として確認できる場合、控除対象にできる借入限度額や控除期間が変わる可能性があります。

国土交通省の住宅ローン減税の案内では、既存住宅について、省エネ性能の高い住宅では借入限度額の引き上げや控除期間13年への拡充が示されています。

ペアローンでは、夫婦それぞれのローン残高があるため、区分が変わることで夫婦合計の控除可能額に差が出る場合があります。

ただし、実際にいくら増えるかは、次の条件によって変わります。

  • 夫婦それぞれの借入額
  • 年末ローン残高
  • 所得税・住民税の納税額
  • 持分割合
  • 入居年
  • 住宅の区分
  • 控除期間
  • 子育て世帯・若者夫婦世帯に該当するか
  • すでに確定申告済みかどうか

マンション住宅ローン控除診断では、住宅省エネルギー性能証明書を取得できると、住宅ローン控除が最大266万円増額できる可能性があると案内しています。

ペアローンの場合、この増額可能性に関係するケースがあります。ただし、誰でも最大額になるわけではなく、個別の借入状況や税務条件によって変わります。

個別確認が必要なケース

ペアローンで住宅省エネルギー性能証明書を使う場合は、個別確認が必要になるケースが多くあります。

特に次のような場合は、無料診断や税務確認を早めに進めましょう。

  • 夫婦それぞれが住宅ローン控除を受ける
  • 住宅省エネルギー性能証明書を何通取るべきか分からない
  • 共有名義になっている
  • 連帯債務で住宅ローンを組んでいる
  • 証明申請者が夫婦どちらか一方になっている
  • 証明申請者が売主や分譲事業者になっている
  • e-TaxでコピーやPDFを使えるか分からない
  • すでに確定申告を済ませている
  • 申告内容を見直せるか知りたい
  • 住宅性能評価書やBELS評価書がある
  • 引渡しから6ヶ月以内で期限が近い
  • 確定申告の期限が近い

住宅省エネルギー性能証明書は、住宅の省エネ性能を証明する書類です。

一方で、住宅ローン控除でどう使えるか、夫婦それぞれの申告にどう影響するかは税務判断を含みます。

そのため、まずはマンション名、引渡時期、住宅性能評価書の有無、ペアローンかどうかを整理しましょう。

マンション住宅ローン控除診断では、中古マンション購入者向けに、住宅省エネルギー性能証明書を取得できる可能性を無料で確認できます。

ペアローンの場合は、単独ローンよりも控除額への影響が大きくなる可能性があります。

  • 「証明書は2通必要なのか」
  • 「夫婦それぞれ住宅ローン控除を受けられるのか」
  • 「住宅省エネルギー性能証明書で控除額が増える可能性があるのか」
  • 「最大266万円の増額可能性に該当するのか」

このような不安がある方は、まずは無料診断で確認してみましょう。