住宅省エネルギー性能証明書について調べていると、「断熱等性能等級」や「一次エネルギー消費量等級」という言葉が出てきます。
ただ、日常的に使う言葉ではないため、
「住宅省エネルギー性能証明書では何の等級を見ればよいのか」
「断熱等級と一次エネルギー消費量等級は何が違うのか」
「省エネ基準適合住宅とZEH水準省エネ住宅はどう違うのか」
「中古マンションでも等級を確認できるのか」
「住宅ローン控除ではどの基準が関係するのか」
と迷う方は少なくありません。
住宅省エネルギー性能証明書は、住宅が一定の省エネ性能を満たしていることを示す書類です。住宅ローン控除では、省エネ基準適合住宅やZEH水準省エネ住宅として確認する際に関係します。
国土交通省の住宅ローン減税の用語解説では、省エネ基準適合住宅は、断熱等性能等級4以上および一次エネルギー消費量等級4以上の家屋とされています。また、ZEH水準省エネ住宅は、断熱等性能等級5以上および一次エネルギー消費量等級6以上の家屋とされています。
この記事では、住宅省エネルギー性能証明書で確認される基準、断熱等性能等級、一次エネルギー消費量等級、評価方法基準、ZEH水準省エネ住宅との関係を解説します。
住宅省エネルギー性能証明書で確認される基準
住宅省エネルギー性能証明書で確認されるのは、住宅が一定の省エネ性能を満たしているかどうかです。
住宅ローン控除で関係しやすいのは、主に次の区分です。
- 省エネ基準適合住宅
- ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅として確認する場合、断熱等性能等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上が関係します。
ZEH水準省エネ住宅として確認する場合、断熱等性能等級5以上、一次エネルギー消費量等級6以上が関係します。
つまり、住宅省エネルギー性能証明書を見るときは、「省エネ住宅っぽいか」ではなく、どの等級を満たしているかを確認する必要があります。
特に中古マンションでは、購入時に「省エネ性能が高い」と説明されていても、住宅ローン控除で必要な等級を確認できるとは限りません。
確認したいのは、次のような情報です。
- 断熱等性能等級が記載されているか
- 一次エネルギー消費量等級が記載されているか
- 省エネ基準適合住宅か、ZEH水準省エネ住宅か
- 評価対象が自分の住戸か
- 証明年月日や発行者が確認できるか
- 住宅性能評価書やBELS評価書などの根拠資料があるか
住宅省エネルギー性能証明書が手元にない場合でも、住宅性能評価書やBELS評価書などから、発行可能性を確認できる場合があります。
断熱等性能等級とは
断熱等性能等級とは、住宅の外皮性能、つまり外壁、屋根、床、窓などを通じて熱が逃げにくいかを評価する等級です。
簡単にいうと、住宅の「断熱性能」を確認するための指標です。
断熱性能が高い住宅では、外気の影響を受けにくく、冷暖房の効率がよくなりやすいです。住宅性能評価・表示協会の住宅性能表示制度の説明でも、省エネルギー対策では、外皮の断熱や設備、創エネルギーなどを総合的に評価するとされています。
住宅ローン控除で省エネ基準適合住宅として確認する場合、断熱等性能等級4以上が関係します。
ZEH水準省エネ住宅として確認する場合は、断熱等性能等級5以上が関係します。
ただし、「断熱等性能等級が高い=住宅ローン控除が必ず増える」というわけではありません。一次エネルギー消費量等級や、入居時期、住宅ローンの条件、所得要件なども関係します。
中古マンションの場合、断熱等性能等級は住宅性能評価書や建設住宅性能評価書、BELS評価書、分譲時資料などに記載されていることがあります。
ただし、資料があっても、自分の住戸に関係する評価なのか、マンション全体の評価なのかを確認する必要があります。
一次エネルギー消費量等級とは
一次エネルギー消費量等級とは、住宅で使うエネルギー量を評価する等級です。
ここでいうエネルギーには、冷暖房、換気、給湯、照明などが関係します。住宅性能表示制度では、設備や創エネルギーも含めて省エネルギー性を評価する考え方が示されています。
断熱等性能等級が「熱の逃げにくさ」を見る指標だとすると、一次エネルギー消費量等級は「住宅で使うエネルギー量の少なさ」を見る指標です。
住宅ローン控除で省エネ基準適合住宅として確認する場合、一次エネルギー消費量等級4以上が関係します。
ZEH水準省エネ住宅として確認する場合は、一次エネルギー消費量等級6以上が関係します。
つまり、省エネ基準適合住宅やZEH水準省エネ住宅として確認するには、断熱等性能等級だけでなく、一次エネルギー消費量等級も確認する必要があります。
たとえば、断熱等性能等級は高くても、一次エネルギー消費量等級が確認できなければ、住宅ローン控除の区分を判断しにくい場合があります。
中古マンションでは、住宅性能評価書やBELS評価書の記載内容を確認し、一次エネルギー消費量等級やBEIなどの情報があるかを見ていくことがあります。
評価方法基準とは
評価方法基準とは、住宅性能表示制度などで住宅の性能を評価するための基準です。
住宅の性能を評価するときに、評価する人や機関によって判断がばらばらにならないよう、どのような項目を、どのような方法で評価するかが定められています。
断熱等性能等級や一次エネルギー消費量等級も、こうした評価方法基準にもとづいて確認されます。
中古マンションの購入者にとって、評価方法基準の細かい計算内容まで理解する必要はありません。
大切なのは、次の点です。
- 等級は専門的な基準にもとづいて評価されること
- 自分で感覚的に判断するものではないこと
- 住宅性能評価書や住宅省エネルギー性能証明書など、根拠資料で確認すること
- 証明できる専門家・機関が確認する必要があること
たとえば、窓が二重サッシだから、築浅だから、設備が新しいからという理由だけで、省エネ基準適合住宅やZEH水準省エネ住宅と判断することはできません。
住宅ローン控除で使う場合は、住宅省エネルギー性能証明書、建設住宅性能評価書の写し、BELS評価書など、客観的な資料を確認する必要があります。
ZEH水準省エネ住宅との関係
ZEH水準省エネ住宅とは、長期優良住宅や低炭素住宅以外で、より高い省エネ性能を満たす住宅区分です。
国土交通省の住宅ローン減税の用語解説では、ZEH水準省エネ住宅は、断熱等性能等級5以上および一次エネルギー消費量等級6以上の家屋とされています。
一方、省エネ基準適合住宅は、断熱等性能等級4以上および一次エネルギー消費量等級4以上の家屋とされています。
整理すると、次のようになります。
- 省エネ基準適合住宅:断熱等性能等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上
- ZEH水準省エネ住宅:断熱等性能等級5以上、一次エネルギー消費量等級6以上
ZEH水準省エネ住宅の方が、求められる省エネ性能は高くなります。
住宅ローン控除では、住宅の区分によって借入限度額や控除期間が変わることがあります。そのため、自分の住宅が省エネ基準適合住宅なのか、ZEH水準省エネ住宅なのかを確認することは重要です。
ただし、中古マンションの場合、ZEH水準省エネ住宅として確認できるかどうかは、資料の有無や評価内容によって変わります。
「ZEHマンション」と広告されていたからといって、住宅ローン控除でZEH水準省エネ住宅として扱えるとは限りません。証明書や評価書で確認する必要があります。
中古マンションで確認するときの注意点
中古マンションで住宅省エネルギー性能証明書の等級や基準を確認するときは、いくつか注意点があります。
まず、築年数だけでは判断できません。
築浅だから必ず省エネ基準適合住宅になるわけでも、築年数が古いから必ず対象外になるわけでもありません。重要なのは、対象住戸について必要な省エネ性能を確認できる資料があるかどうかです。
次に、マンション全体の評価と自分の住戸の評価を混同しないことです。
中古マンションでは、分譲時資料やBELS評価書などにマンション全体の省エネ性能が書かれていることがあります。ただし、住宅ローン控除で使う場合、自分の住戸が対象として確認できるかが重要です。
また、等級だけでなく、引渡日や入居日も確認しましょう。
住宅ローン控除では、住宅の引渡しまたは工事完了から6ヶ月以内に居住することなど、住宅性能以外の要件も関係します。国土交通省の住宅ローン減税ページでも、主な要件として6ヶ月以内の居住が示されています。
中古マンションで確認したいポイントは、次のとおりです。
- マンション名
- 住戸番号
- 引渡日
- 入居日
- 住宅性能評価書の有無
- BELS評価書の有無
- 住宅省エネルギー性能証明書の有無
- 断熱等性能等級
- 一次エネルギー消費量等級
- 過去の取得事例
- 確定申告の状況
マンション住宅ローン控除診断では、マンション名、引渡時期、住宅性能評価書やBELS評価書の有無などをもとに、住宅省エネルギー性能証明書を取得できる可能性を確認できます。
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